潰瘍性大腸炎の鍼灸治療のポイント1~温める?~

最近、潰瘍性大腸炎の患者さんが続きました。難病指定されている病気で、なかなか手強いですが、鍼灸治療でコントロールすることは十分可能です。

潰瘍性大腸炎の西洋医学的な説明は省いて、鍼灸治療のみにかぎって書いてみましょう。

大阪に潰瘍性大腸炎の治療に力を入れている漢方クリニックがあって、そのこの患者さんがよく当院にいらっしゃいます。鍼灸治療もやっているクリニックです。治療にあたっておられるドクターは、積極的に身体を温めることを指導し、鍼灸でもお灸をたくさんし、自宅施灸の指導もしています。しかしあまり改善はしないようです。

温めて気血のめぐりを良くするのが基本と考えておられるようですが、出血が見られるうちは逆効果になることが多いです。単純に考えれば分かることですが、単純に血液の流れを良くすると、出血部位の血流量も多くなって、出血も多くなるからです。出血が見られる場合には、<出血を止める治療>が最優先です。

出血を止める方法はいろいろあるのですが、まずお灸について書いてみましょう。

「お灸は温める。。。」というイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが使い方によって、他にもいろんな事ができます。

消化管の粘膜層あたりの浅い部位からの出血なら透熱灸がよく効きます。透熱灸はお灸で意図的にヤケドをさせるお灸法です。お米の粒~その半分くらいの大きさです。私はクローン病か?というくらいに、胃・十二指腸潰瘍で出血、入院を繰り返していましたが、20代半ばで師匠に出会ってほとんどならなくなった経験があるのですが、出血のときはよく透熱灸をしてもらいました。不思議と止まるんですよ。作用機序はわかりませんが(/_・)/

この透熱灸による消化管出血の治療の主目的は、いわゆるじっくり温めるお灸でもないし、気血の流れを良くするのでもありません。適切なツボを選択し、適切なお灸技術で、出血部位に電撃様の?感覚を覚え、止血反応が起きます。熱が走るというより、冷え固まるような不思議な感覚です。

ただ、上部消化管出血にはうまくいくことが多いんですが、潰瘍性大腸炎の場合はなかなかうまくいきません。私の配穴がわるいのかも。。。と、最近は潰瘍性大腸炎の治療にはあまり使わなくなりました。透熱灸は痕が残りますしね。別記事で書きますが、鍼で止血する方が成績がいいので、最近はそちらを使っています。

温めるのなら、使い捨てカイロなんかで体の表面を温めるのは結構効果的です。長く患っていると体力が低下して冷えに対する抵抗力が弱っています。冷えが入りやすい状態ですね。それを防ぐために体の表面をあたためるのはいいでしょう。でも腸管を温めるのは控えます(部位によっては腸管を温めてしまいます)。

いずれにせよ、潰瘍性大腸炎で腸管をあたためるようなお灸をするのは、出血が止まってからの方が無難です。

次回は鍼でのやり方を取り上げます。

    (2015年03月26日:
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