慢性疲労症候群(CFS)の脳内炎症を抑える鍼灸治療

当院で、慢性疲労症候群(CFS)の患者さんを治療するときに最重要視するのは、CFSの主要症状のひとつである微熱を下げて安定させることです。陽電子放射断層画像法(PET:Positron Emission Tomography)で脳を観察すると、脳で広範囲に炎症が見られ、CFSの症状と関係していることが徐々に分かってきたんですね。脳内の炎症と微熱が密接に関係しているのだと推察されます。

当院にCFSの患者さんがこられてまずチェックするのが、微熱があるかどうか、頭部を触診して頭蓋内に熱があるかどうかです。全身に微熱があるかどうかはともかく、頭蓋骨で覆われた頭蓋内の熱を頭皮を触診することによって分かるのか?という疑問を持たれる方も多いかと思いますけれども、触診の修練を少し積みますと感じることができます。

頭皮をやさしく触りますと、なかからボワーっと、熱が出ているのがわかります。頭皮が熱を持っているのとはまた違います。頭蓋骨の縫合部、特に大泉門・小泉門の部位からよく漏れているのが感じられます。微細な隙間があるんでしょうか。

頭蓋骨の合わせ目のことを医学的に縫合部といいますが、成長とともにとじられて、動かなくなる不動関節になるとわれています。しかし触診能力を高めると微妙に動くことが感得でき、動かすことができるようになります。頭蓋骨を動かすことによって、頭蓋の外の筋肉や皮膚はもとより、頭蓋内、つまり脳内の脳脊髄液・血液循環までも操作できるようになります。

私の専門外ですけれどもカイロプラクティック・オステオパシー系の手技療法である頭蓋仙骨療法では頭蓋骨を動かして脳脊髄液の循環をうながす治療があります。頭部の諸症状はもとより、アトピーなんかの治療もできるようになります。私もかけ出しの頃、STOという頭蓋仙骨療法の一流儀の名人に治療していただいたことがありますが、びっくりするような効果でした。医師には、このようなことができることに対して懐疑的な方も多いかと思いますけれども、触診力を高めるとできるようになります。

さて、CFSの脳内の炎症を抑える方法ですけれども、当院ではひとつにはツボを使って内臓を調えたり神経の興奮を抑えるような治療をする方法と、頭蓋骨の操作をすることによって脳脊髄液や頭部の血液・リンパ液・神経伝達を変えるという方法を行います。二面からアプローチによって、両者の欠点を補おう形をとっています。

脳の炎症を抑えるに何回治療が必要かは人によって違いますけれども、もし微熱が脳の炎症からだとすると、数回でおちつくこともあります。その場である程度熱を下げることは比較的簡単ですが、また上がってきますので、それが落ち着くまで少し頻度を上げて治療することが重要です。

    (2017年03月08日:
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