当院は中医学を修正した中華伝承医学で治療を行っています

当院は中医学の欠陥を修正した、中華伝承医学の流儀にしたがって治療しています。
(ここでいう中医学は現代中医学=中医薬大学で教えている中医学のことを指します)

中医学に関しては、ネットで大まかな情報を得ることができるので
ご存じの方も多いでしょう。

血虚?陰虚?

中医学でみる、あなたは何タイプ?

ということで
気虚陽虚血虚陰虚痰湿・・・・
なんていう専門用語が並べられ、
それぞれに該当する症状を自己チェック。
自分は何タイプかを知る・・・
みたいな記事を本やネットで見たことはありませんか?

中華伝承医学をもとに治療している私に言わせると、
このように最初から体や病気の状態をタイプ分けして見ていくのは、あまり意味がありません。

なぜなら、陰虚の人にも気虚や痰湿が混ざっていることも多く、
気虚や陽虚の人が陰虚に傾むくことも多々あるからです。

考えても見てください。基本的な体質というのはありますが、
誰でも働きすぎたり、食べ過ぎたり、運動しすぎたり、風邪をひいたり
しますよね。それによって体調が刻一刻と変化していきます。

そのような現実を直視すると、「あなたは何タイプ?」みたいな
見立てをもとに治療をしても、病気を診て治療法を探す対処療法にすぎず
中国医学の本来の姿である人間の全身を診て調整するのではありません

このような発想が生じるのは、中国医学本来の考え方である、気一元
つまり人間の身体の総体性をどのように診ていくからからはじめて、
どのように区切って、治療の体系を組み立てるかという
中国医学本来のすがたを忘れているからです。

中華伝承医学と中医学の違い

中華伝承医学と中医学の違いを図示し、それぞれの項目を説明していきましょう。

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1.中医学の理論には一貫性がない

上で、
気一元=人間の身体の総体性を、どのように区切って、治療の体系を組み立てるか
と言うことを書きました。
中国医学では病気の原因と発生の機序を、病因病機といいます。
それを分析するのを弁証といいます(哲学でいう弁証法とは違います)。
「どのように区切って、治療の体系を組み立てかるか」が、
弁証にあたるんですね。

中医弁証学の本をみると、臓腑弁証・六経弁証・経絡弁証等々の弁証体系が並んでいます。

ところが、これがごっちゃ煮で何がいいたいのかよく分からない
この鑑別名にはこういう症状・・・、という分類はされているのですが、
人間の身体をどのような視点から分析すればその鑑別にいたるか、
一貫した人間の診方、病気の診方があやふやです。

一番、弁証と診察の関係が一番整合性がとれているのが六経弁証です
(中医学で一番実用的な弁証の体系です)。
『傷寒論』という漢方薬の一番の基本文献をもとに作られたものですが、
『傷寒論』自体が処方集の体裁を取っているので、
どのような観点からその理論体系を作ったかが曖昧です。
だから古来、専門の学者の間でも色々な解釈があります。

専門家の間でもいろいろな解釈があるのだから、
一般の臨床家が自由自在に駆使できるわけがありません。
結局は、患者さんの症状に一番当てはまりそうな漢方薬を選ぶ・・・
みたいな感じになってしまいます。
鍼灸なら、腹痛にはこのツボ、腰痛にはこのツボみたいな対処療法ですね

しかし、中華伝承医学の観点から『傷寒論』を読み解いていくと、
そこに一貫した治療思想・診察体系があります

2.中医学には理論体系にそって人を診察するシステムがない

中医学には理論体系にそって人を観察していくシステムがありません。
20年ほど前に私が中医学を勉強してびっくりしたのがこの点です。

たとえば、鍼灸では経絡・経筋という考えを重視します。
経絡は気の流れるルート、経筋は各々の経絡のまわりにある筋肉です。

腰痛で、胆経ラインに痛みがあるのなら、胆経上の経筋を緩めると腰痛が軽減されます。
じゃあそれをどのように診察して、ツボを決めるのか?

中国医学では脉診(みゃくしん)という診察法が重要視されるのですが、
これを例にして述べてみましょう。

腰痛の原因を探るわけですが、カゼに由来するのものなら、
『傷寒論』の脉診を使います。内臓の異常に由来するのなら六部定位脉診
経絡・経筋の状態を診るのなら気口九道脉診・・・と使い分けます。本来は。

さらにその上位には、どのような脉診を使えばいいのかを診る、
人迎気口診があります。
ところが、中医学にはこのような診察システムがないんですね。

しかし現代中医学ではこのような一貫した診察システムがないんですね。
経絡弁証というのがあるのですが、実際にはあまり役に立ちません。
また、『傷寒論』の脉診や六部定位診・気口九道診なども、一応出ては来るのですが、
臨床でどのように一貫して使っていけばいいかというシステムが、中医学にはありません。

3.中医学には治療中に、どのように変化しているかを観察するシステムに乏しい

2で述べたように、中医学は、治療の状態を一貫して診ていくシステムがありません。
身体に鍼を1本刺せば、何らかの変化が生じます。
それが合っているかどうか、一貫して観察していくシステムがなければどのようにして変化を追っかけるのでしょうか?

最初に「ここは!」というツボに刺して、終わってから見るしかないのですが、
一貫して見ていくシステムが無ければ、変化した身体の状態の意味を知ることもできません。

しかし、中華伝承医学では、1本の鍼を刺してどのように変化するかを、逐一診察していきます。
もっと細かくには診察をしながら最適な状態へもっていくよう鍼を操作する技術があります

4.日本鍼灸の繊細な技術を導入

日本には奈良時代に鍼灸が入ってきましたが、
大きく花開いたのは江戸時代です。

日本人の繊細な感性が、鍼の高度な操作技術を生み出し
それが現在まで続いています。
それは中医鍼灸には見受けられないような繊細さです。

例を挙げると、接触鍼法や打鍼法・小児鍼なんかです。

中華伝承医学は、中国古流の流儀の中に取り込んだ技術をご提供しています。

>>「古典鍼灸と中華伝承医学の違い」はこちら

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