生理不順の鍼灸治療

女性の生理は医学的には月経とよばれています。卵巣内で卵子が発育するにつれ、卵胞内で卵胞ホルモン(エストロゲン)が産生されると子宮内膜が厚くなってきます。子宮に卵子を受けとめる準備が調いますと排卵が起きます。排卵後、黄体で産生される卵胞ホルモンと黄体ホルモン(プロゲステロン)の作用により子宮内膜は受精卵を着床しやすい状態になります。

このとき卵子と精子が受精し、受精卵が子宮内膜に着床しますと妊娠を維持するために黄体からホルモンが分泌されます。ところが着床しないと黄体がホルモンを分泌し続けることができなくなり、黄体ホルモンと卵胞ホルモンが減少し、子宮内膜がはがれ落ちます。これが月経です。

月経周期は月経の初日から次の月経周期が始まる前日までを1周期とします。この期間が約25日~36日であれば正常とされています。また月経のは3~7日くらいが正常です。出血の量や月経期間・月経周期は人それぞれで、ほぼ一定であれば問題はありません。

月経不順

月経が初めて起こるのを初潮といい、最近では平均12歳前後くらいです。遅くとも16歳くらいまでには月経がきます。初潮から数年は月経機能がじゅうぶんに発達していないため、周期がみだれることがあります。これは生理的なもので月経不順には入れません。また、女性は40代後半ぐらいから更年期をむかえ、閉経に至りますが、閉経が近づくにつれて月経周期がみだれがちになります。これも生理的なものであまり問題にしません。

月経不順の治療対象となるのは下記のものです。

  発生時期の異常

  • 早発月経(初潮が10歳未満)、遅発月経(初潮が15歳以上)
  • 生理周期の異常(正常25日~35日)
  • 原発性無月経(18歳になっても初潮がこない)
  • 続発性無月経(生理が数ヶ月以上こない)
  • 頻発月経(生理周期が短かい、24日以下)
  • 稀発月経(生理周期が長い、36日以上)

  生理期間の異常(正常3日~7日)

  • 生理過短(出血日数が3日未満)
  • 生理過長(出血日数が8日以上続く)

  経血量の異常

    経血量過少、経血量過多

  その他生理不順と見なされる諸症状

    基礎体温の乱れ、月経困難、生理前症候群(PMS)

月経不順の鍼灸治療

当院での治療の基本は、基礎体温の変化と月経周期を調えることです。お体全体を拝見し、その不調が基礎体温と月経周期にどのように影響をあたえているかをみて、治療していきます。ですから、当院を受診されるにあたっては、基礎体温表を記録していらっしゃる方はお持ちいただき、記録していらっしゃらない方はしていただきます。それをもとにして、月経周期に合わせて治療していきます。たとえば冷え症の方は生理周期が乱れやすく、基礎体温の高温期も短め・低めになります。この方は高温期にポイントをおいて治療します。あるいはよく冷えのぼせして、すぐに微熱気味の人は基礎体温が1周期とおして全体的に高めになりやすいです。こういう方は低温期にポイントをおいて治療します。

器質的に問題のない方は、だいたい5回までの治療で改善が見られるようになってきます。完治までどれくらいの期間治療が必要かは、患者さんの日常生活の過ごし方や食生活、治療への熱心さで変わりますが、改善傾向が感じられるようになるにはおおむで5回くらいまでです。5回治療しても改善傾向が見られないばあいは、長期の治療が必要なことが多いです。

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