中国医学によるダイエット

鍼灸によるダイエット治療をご希望される方があるのですが、患者さんがイメージされているダイエット治療と中国医学本来のダイエット治療ではイメージに大きな開きがあるように私は感じています。「耳つぼダイエット」「鍼灸ダイエット」等のテーマで女性雑誌に大きな効果があるような記事が載ったりするからでしょうか?

一番の誤解は「鍼灸で○キロ痩せる」といったイメージが持たれることが多い点です。ダイエット食品の広告の影響でしょうか?中国医学でのダイエット基準は「その人の適正体重にすること」です。この<適正体重>というのがくせ者で、痩せたいと思っている女性が抱いている体重よりかなり上だと思います。痩せたいと思っている女性が頭の中で描いている理想的な体重は、中国医学の専門家からみると<痩せすぎ>のことが多いのです。もし<痩せすぎ>のレベルまで体重を落とそうと思えば他の方法を取った方がいいかと思います。鍼灸治療でそのレベルまで体重を減らそうと思えば、「体調を悪くして痩せさせる」しかありません。でも大多数の良心的な治療家は、患者さんに求められてもそのような治療はしないと思います。

もう一つの誤解は「鍼灸治療だけで痩せよう」と考えです。このように考えていらっしゃる患者さんは結構います。しかしダイエットの基本は食生活を改めることと運動です。どのような治療についても言えることですが、ご自身の努力無くしては効果がありません。なぜなら肥満のように生活習慣が大きなウエイトを占めている症状は、ご自身の仕事も含めたライフスタイルと関係してくるからです。ライフスタイルの改善しないで痩せようという考えは神経症的で病的であると当院では考えています。

耳ツボダイエット

さて「耳つぼダイエット」についての当院の考えを以下に記します。「耳ツボダイエット」は基本的には食欲を直接的に押さえるツボに鍼や金粒・銀粒などで刺激を与えるのが基本になります。ようするに食欲を低下させて痩せさせる戦略です。何キロ痩せるかは分からないですが、食べる量が減れば当然体重は減ります。このタイプの治療の難点は過剰な食欲を惹き起こしている体調を治しているわけではないので、治療を止めれば元に戻ることが多いです。耳ツボ療法は次に書く体調を調えるような治療と合わせて行って効果が出るものであって、それだけでは一時的な効果しかないので当院では行っておりません。

中国医学本来のダイエット

「鍼灸治療によるダイエット」は異常な食欲を起こしている体調を調えることに治療目標を置きます。良くあるのがストレスで胃が刺激されてなる場合と、胃に熱を持つ場合です。これらを調えてやると食欲が落ちるので減量できるという発想です。これは「ダイエット治療」と表に出して言うほどの治療ではなく、ごくごく通常の中国医学的治療に他なりません。この治療のデメリットとはこれだけでは大幅な減量には至らないことです。患者さんご自身の食生活の改善と運動を合わせて行わないといけません。

やっぱり要は食餌療法と運動

当院でのダイエットのための食事療法の基本は薬膳理論にもとづくものと、グリセミック指数の低い食品を多く取るようにするというものです。グリセミック指数というのは、ブドウ糖を摂取したときの血糖の変化を基準にしてどれくらい血糖の変化があるかを指数化したものです。ブドウ糖を100とします。人間は血糖値が下がってくると空腹を感じるようになります。ブドウ糖のように消化・吸収率のよい炭水化物だと、食後の血糖の変化が激しくなります。グリセミック指数の高い食材を使った献立は、食べてから空腹感を得るまでの時間が短くなるのが特徴です。そうするとどうしても間食をしたり、食べる回数が増えたりしがちです。ダイエットではそれを避けるために、消化・吸収に時間がかかる、グリセミック指数の低い食材を使った食事をします。「インシュリンダイエット」が一時期流行りましたが、それはこれを応用した物です。精製度の低い穀物、玄米・分搗き米・胚芽入りもしくは全粒粉のパンを主食とするのが基本です。

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