鍼や灸に副作用はありませんか?

「はりきゅうに副作用はありません」などととんでもないことを書いているHPがありますが、それはウソです。本気でそんなこと考えてるんか?っていつも疑問に思っています。本気ならあまりにも知識不足。

副作用というのは薬の場合、「治療としてある作用を起こさせると、それとは別なところに起きる悪い作用」という意味で使われます。間違った投薬、つまり誤治とは分けて考えます。でも「はりきゅうに副作用はありません」と答える場合、本来の副作用という意味の他に「治療後に悪くなることはありません」という意味で使っていることもあります。これだと副作用で悪くなることがないのか、誤治で悪くなることがないのか分かりませんね。まあ、これは仕方ないことで、鍼灸治療の場合、副作用と誤治を区別しにくいという事情によるんですが・・それはともかく話を進めましょう。

鍼灸の副作用について

副作用、つまり「ある作用を起こさせると、それとは別なところに起きる悪い作用」が起きるのかどうか、鍼の場合、これは難しい問題です。

治療が刺激過多になって治療後にからだがだるくなったりすることがありますが、これは副作用といえるでしょうか?鍼灸治療に慣れていない方に多いんです。初めての患者さんを治療するとき、どれくらいの刺激を与えればいいのかは、結構難しい問題です。それから何十本も太めの鍼を打つったときもこうなるんですけど、これは技術不足。こういうんなら副作用といってもいいかもしれません。

しかし、こういうのはどうでしょう?カゼのひきはじめに治療をしたら、後で熱が出ることがあります。カゼを退治させる元気をつけることによって、カゼを追い出そうという戦法を取ったときになります。これを副作用といっていいか?中国医学には瞑眩といって、治療後に一時的にからだに変調を起こしてから好転することがあります。カゼの治療をして熱が出て治ったときの熱は瞑眩反応と呼べるでしょう。でも熱が出て、そのまま下がらずに肺炎になったりすることもある。これは誤治ですね。一番いいのは熱なんぞ出ずに治ることですが、熱が出てから治った場合、治療によって熱が出たということをどうとらえるか?

個人的には、治療者が熱が出てから治るということを予測してた、あるいは意図して熱を出させたのかどうかが重要だと思います。そうでなければ副作用、もしくは次でいう誤治の中に入るんじゃないでしょうか?

誤治について

誤治による悪影響は当然あります。よく効く治療ができるってことは、間違えればすごく悪い効果も出る(出せる)ってことです。逆にいうと「はりきゅうで悪くなったりしません」とか言ってるお方は、治すだけの技術がないか、悪くなったというのを見分ける診察能力がないのです。中国に数年留学して帰国し、中医鍼灸実践している某鍼灸師がいらっしゃいます。業界人なら知っている方は多いのですが、その方のHPに「鍼はよくなることはあっても悪くなることはない」と書いてあってびっくりしたことがあります。

本来の鍼灸治療には四診弁証という診察診断法があります。治療の前に四診して患者さんのからだがどういう状態か診断します。それに応じて治療するのですが、きちんとした治療をすると一本打つたびに、からだが変化しますので、一本打つたびに脉をみたり顔や舌を診たりして変化状況を診ます。これで今打った一本が間違っているか間違っていないかを確認するわけです。こうすれば誤治も防げる可能性が高くなる。はやりのことばでいいますと、リスクマネジメントですな。あなたを治療してくれている先生はちゃんとリスクマネジメントしてはりますかな?

副作用や誤治以外に、事故または医療過誤というのがあります。これは鍼を刺して肺に穴が開いた(気胸といいます)とか、末梢神経麻痺が起きたとかです。これはほとんどの場合、施術者の技術不足(それもかなり程度の低い)によりますので、論外です。

きちんとした知識・技術を持って鍼灸をするのならかなり安全な治療法であるということは断言できます。

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