鍼や灸はクセになりませんか?

鍼や灸がクセになるというのはどういうことでしょうか?

   治療を受けると楽になるけど、すぐ戻るので何回も通わないといけない。
   治療後、症状もからだ全体も楽になるけど、時間がたつとまた悪くなる。

あたりでしょうか?ポイントは症状以外の全体の体調がどうかでしょうね。

治療を受けると楽になるけど、すぐ戻るので何回も通わないといけない

「治療を受けるとその症状は楽になるけど、すぐ戻るので何回も通わないといけない。」これは「きちんと治療してない」か「鍼治療ではコストパフォーマンスの悪い症状」「患者さんの不養生」のどれかじゃないでしょうか?

「きちんと治療してない」というのは、たとえばきちんと診察もしないで、毎回同じところに鍼を刺すような治療です。鍼には一時的な麻酔効果がありますから、その時だけは楽になりますが、こういうのは治療とはいいません。健康な方でも季節や時間によって体調は変わるし、きちんと治療をすれば1本打つだけでごろっと変わる。なかなか変わらん強情なからだの患者さんもいてはりますけれども、たいがいは変わるものです。ですからそれに合わせて治療法も変わらないといけません。それがないというのは、患者さんのからだを診てない、治療してないということです。こういう治療はクセになる。なんかやってもらっているうちに自然治癒力で治るかもしれませんが。

「鍼治療ではコストパフォーマンスの悪い症状」というのは、昔は鍼でも治せたけど、今では薬を使ったり手術する方が簡単に治る類の疾患です。昭和はじめの頃、不治の病といわれていた結核をわずらう人が大勢いました。「若い頃、結核にかかってなかなかなおらんかったけど、鍼灸で治して鍼灸師になったんじゃ・・・」っていうご高齢の先生が結構いらっしゃいます。結核は不治の病いでしたが、戦後まもなくペニシリンが発見されて比較的に簡単に治る病気になってしまいました。他には潰瘍治療薬にH2ブロッカーという薬が10数年前に発明されて、以後手術は激減、治りも早くなった。まあこういう類は鍼灸治療で治すこともできるけど、コストパフォーマンスを考えると、西洋医学で治療を受ける方がお得ということになるわけです。

「患者さんの不養生」これは言葉の通り。治療しても一時しのぎです。患者さんご自身が養生しないと、いくら治療しても治りません。鍼灸がクセになるってこととは別の話です。

あと、良くはならないけれども進行を遅らせる(たとえば老人の変形性脊椎症からくる痛み)だとか、一時的に症状を改善するだけの治療(末期ガンの痛みの緩和)なんて治療もありますけど、これはここには入りません。これは患者さんのからだがそういう状態やから仕方ないんですが、治療者としてはこれを上に書いたのと一緒にしていただいては困ります。

治療後、症状もからだ全体も楽になるけど、時間が経つとまた悪くなる

これは良い治療ができたときにそうなります。治療後、主訴が軽減され、からだ全体も軽くなる。今まで体験したことのないような爽快感を味わった。ということが、ままあります。患者さんの体調の歪みを治してあげるとこのような感じになります。しかしまだそれを持続させるだけのからだができてなかったり、生活習慣が修正されていないので、元の悪い状態へ戻ろうとする。こういうわけなんですけれども、こういうときは体調管理と思って、ぜひクセになってください。治療を続けていくと、からだのひずみが矯正されます。私のところやと随時養生法もご教示しますので、自己管理できるようになっていきます。最終的には治療しなくてもいい体、患者さんが自己管理できるようにするのが当院の治療の目標です。

クセになるにも、良いクセと悪いクセがあるということです。

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