現代中医学との違い

現代中医学は中華人民共和国建国後、各地に作られた中国医学養成施設で研究・教育されてきた中国医学です。現代中医学と伝承医学は大きな違いがありますが、ひとつだけ簡単に記しておきます。

もっとも違う点は、体表観察の深さや精密さの違いです。現代中医学の基礎理論・診断学の教科書を読めばわかりますが、四診の中でも問診に重点を置いています。診断情報の過半数を問診によって得ています。それに対して中国伝承医学では望診(視診)や切診(触診)法に重点を置いています。

たとえば触診法としては脉診がもっともよく用いられますが、現代中医学の教科書には30種類ほどの脈の打ち方が分類されていて、それを組み合わせて弁証の情報としているくらいです。他には古典に書いてあることをそのまま記してあるだけです。それらはあくまで問診の補完する程度のことしか書いてありません。これ以外に婦人科や小児科独特の脉診法も若干出てきますが、この脉診法の延長上のものです。

それに対して中国伝承医学では、人間を診る観点に応じたさまざまな脉診法があります。人間の一般的な生理の状態を知る脉診法、それを逸脱した内科疾患の状態を知る脉診法、カゼや伝染病を診るの脉診法、経絡の状態を診る脉診法、婦人科の脉診法、小児科の脉診法などです。これらの中には古典に記されているものもあり、研究書もありますが、臨床上きちんと使いこなせているかどうかの問題になりますと、はなはだ怪しいものです。

師から弟子へ代々伝えられてきた技術は、臨床に耐えうるようすこしずつ改良され発展してきたところに大きな違いがあります。

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